児童デイサービス(放課後等デイサービス・児童発達支援事業所)指定

児童デイサービス(放課後等デイサービス・児童発達支援事業所)をはじめたい
放課後等デイサービス・児童発達支援事業所の「指定」
「放課後等デイサービス」・「児童発達支援事業所」を開業するためには、他の「障害福祉サービス」事業と同様、まずは、開業するエリアを管轄する、「指定権者」(都道府県・政令市)から「指定」の交付を受けなければ、事業を始めることはできません。
ちなみに、「指定」とは、事業を始めるに当たって必要となる、お役所からの許認可の一つであり、建設業や運送業で言うところの「許可」に近しいイメージ、と捉えて頂いて差し支えありません。
指定申請における勘所
「放課後等デイサービス」、「児童発達支援事業所」の新規立上げポイントには、以下の3つが挙げられます。
近年に行われた法改正により、とりわけ、「児童発達支援管理責任者」(略称:児発管)に就くための「要件」を満たすことが出来る方が、以前にも増して、見つけづらくなりました。
ハローワークを使って、求人募集を行ったとしても、応募数は、かなり少ないのが現状ですので、指定申請手続きのスケジュールを組む際には、注意を払う必要があります。
例えば、「看護師」や「保育士」といった(国家)資格を持ち、なおかつ、「障害福祉施設等での実務経験」のある方というのは、現在の労働市場に於いては、なかなかハードルの高いものとなっています。
加えて、「児発管」に就く為に必要となる「所定の講習受講に関する要件」についても、改正後の”経過措置”を含めると、その「仕組み・制度」というのは、ますます”複雑怪奇”となって来ている感が否めません。
こうした流れを踏まえた上で、開業時に於ける、「人員の募集・選定とその計画」については、”用意周到な”準備が欠かせません。
「指定権者」による違いはあるものの、一定の広さを確保出来る「指導訓練室」をはじめ、「事務室」・「相談室」・「静養室」、場合によっては、「バリアフリー/オストメイト対応トイレ」といった施設の設置が求められることとなります。
また、「障害児が通う施設」という性格上、周辺地域住民への対応も、あながち、”軽視”することは出来ません。
また、物件施設が「建築基準法」・「消防法」・「都市計画法」といった、各種の法令に適合させる必要があり、物件オーナーや工務店、設計士、施工業者さんなどとの”連携”も欠かせません。
ちなみに、200㎡を超える物件施設を利用して開業する場合には、建築基準法上の「用途変更」が必要となって来ますので、やはり、「物件選定」については、注意を払う必要があります。
具体的には、医療機関と契約書を結んで、指定申請時には、それを添付する必要があります。
忙しいお医者さんだと、契約書へのサインをもらうまでに、時間がかかってしまうことがありますし、中には、理解が乏しく、その承諾すら、”得づらい”ケースも少なくないようです。
障害児である利用者が通所している際に、体調不良やケガにあった際、速やかに受診が出来るよう、近隣の医療機関、出来得ることなら、小児科・内科の診療所の先生に協力依頼を取り付けておくことが望ましいでしょう。
<児童発達支援>
■「児童発達支援」の対象となる児童とは、集団療育及び個別療育を行う必要があると認められる、主に「未就学の障害児」のことを指します。
■施設(センター・事業所)へ通う形で、日常生活の基本的な動作の教えてくれたり、知識技能を教えてくれたり、集団生活への適応訓練、その他の必要な支援を行っています。
通所利用障害児への療育や、その家族に対する支援を行うとともに、その有する専門機能を活かし、地域の障害児や、その家族の相談支援、障害児を預かる施設への援助・助言を行う、「地域の中核的な支援施設」と位置付けられています。
もっぱら、通所利用障害児への療育やその家族に対する支援を行う識技能の付与、集団生活への適応訓練、その他必要な支援を行う事業を行います。
①の「センター」と②の「事業所」のどちらも、通所利用の障害児や、その家族に対する支援を行うことは共通していますが、以下のように、担う役割の範囲について、一定の違いがあります。
①の「センター」は、施設の有する専門機能を活かし、地域の障害児や、その家族への相談、障害児を預かる施設への援助・助言を合わせて行うなど、「地域の中核的な療育支援施設」とされています。
②の「事業所」は、”専ら”、利用障害児や、その家族に対する支援を行う、「身近な療育の場」と位置付けられています。
また、一部の自治体に於いては、「放課後等デイサービス」と「児童発達支援事業所」を”併設”している、いわゆる「多機能型(福祉型)」として「指定」を受けて運営される事業者も少なくありません。
<放課後等デイサービス>
■「学校就学中の、障害を持つ児童」に対して、「放課後や夏休み等の長期休暇中」において、生活能力向上のための訓練などを継続的に提供することにより、学校教育と相まって、障害児の自立を促進するとともに、放課後等における支援を行います。
■「放課後等デイサービス」の対象となる「児童」とは、「学校教育法に規定する学校(幼稚園、大学を除く)に就学している、障害を持った児童」を指します。
なお、利用に当たっては、「療育手帳」等を交付されていることは、必須ではありませんが、市町村(障害福祉課等)に於いて「受給者証」の発行手続き等が必要となります。
■学校の授業が終わった後、または休業日に、以下のような、生活能力の向上のために必要となる訓練や、社会との交流を促す支援を受けられます。
・自立した日常生活を営むために必要な訓練
・創作的活動、作業活動
・地域交流の機会の提供
・余暇の提供
・ 学校との連携・協働による支援(学校と放課後等デイサービスのサービスの一貫性)など
■この他、「放課後等デイサービス」には、以下のように、保護者が障害のある子どもを育てることを社会的に支援する役割もあります。
・子育ての悩み等に対する相談を行うこと
・家庭内での養育等について、子どもの育ちを支える力をつけられるよう支援すること
・保護者の時間を保障するために、ケアを一時的に代行する支援を行うこと
指定を取るために必要な「人員基準」について
児童デイサービス(「放課後等デイサービス」・「児童発達支援事業所」)の「指定」を取る為に必要となる「人員基準」について、主に、以下に示すようなスタッフを確保することが必要となります。
●原則として、専ら事務所の管理業務を統括的に行います。
管理業務は幅広く、運営から従業員の管理、さまざまな指揮命令、利用者さんや外部との調整業務、問合せなどにも対応します。
●支障がない場合は、他の職務との「兼務」が可能です。
●特に必要な「資格」要件はありません。
●障害を持った児童のために、「アセスメント」等を行い、保護者や子どもの意向、子どもの適性、障がいの特性などを踏まえて、「個別支援計画」を作成した上で、その児童に適したサービス提供を行います。
●サービス提供中・提供後についても、計画の実施状況の確認などの「モニタリング」を行い、定期的に計画を見直し支援をします。
●一般的には、開業立上げの際には、「管理者」と「児童発達支援責任者」を「兼務」するケースが考えられますが、「指導員」との「兼任」は認められません。
●1人以上(うち、1人以上は「常勤・専従」であること)
●「資格」の”種類”(有資格者又は国家資格者)とその”有無”に応じて、必要とされる「実務経験期間」が分かれています。
●「基礎研修」を受講できる「要件」について、一定年数(1年~6年)の「実務経験」があれば、「児発管(サビ管)」に必要となる「実務経験年数」を満たす”前”であったとしても、”先に”「基礎研修」を受講することが可能と緩和されています。
●令和元年度の法改正により、研修制度が複雑化しました。
原則的には、【基礎研修】(「相談支援従事者初任者研修」(2日課程)+「サービス管理者等基礎研修」(統一分野))→【実践研修】→【更新研修】という仕組みへと改正がなされました。ただし、一部、経過措置が残されているという状態です。
開業するに当たって、「児発管」を採用される際には、現時点での「経過措置」が適用される方を求人採用することも、ポイントの一つとなります。
●「サビ管」とは異なり、あくまで、”児童”デイサービスという特性上、必要となる「実務経験年数」(3年~8年)については、「老人福祉施設・医療機関等”以外”での実務経験」として、3年以上が必要されている点に注意が必要です。
具体的には、「障害児」・「障害者」・「児童」に対する「相談支援業務」・「直接支援業務」で、少なくとも3年以上の「実務経験」のあることが求められるということです。
つまりは、「高齢者への介護支援経験」しかない場合には、実務経験要件が”満たされない”という点に注意を払う必要があります。
●ここで言う、「実務経験」とは、業務に従事した期間が1年以上であり、かつ、実際に従事した日数が、1年あたり180日以上であることを指します。
●「個別支援計画」にもとづき、適切な支援等を行います。
●営業時間(サービス提供時間)を通じて、2人以上(うち1人以上は常勤であること)※配置基準:利用者10人迄→10:2
●法改正にょり、「障害福祉サービス事業の2年以上経験者」による配置は、不可となりました。(※経過措置あり。)
児童デイサービス(児童発達支援・放課後等デイサービス)開業時に必要となる書類例
各指定権者によって、必要となる書類に若干の相違はありますが、大きくは、以下のような書類が、指定申請の際に提出したり、あるいは、申請書類を作成する為に必要となる情報として、必要となります。
■指定申請書
■同一所在地において既に指定を受けている事業等について指定に係る記載事項
■定款または寄附行為
■印鑑証明書(3か月以内発行原本)
■履歴事項全部証明書(3か月以内発行原本)
■経歴書(管理者・児童発達支援管理責任者)
■組織体制図
■運営規程
■利用者からの苦情を処理するために講ずる措置の概要
■従業者等の勤務体制及び勤務形態一覧
■資産状況(貸借対照表・財産目録・事業計画書・収支予算書)
■設備・備品等一覧
■居室面積等一覧表
■雇用契約書(採用予定証明書)
■資格者証
■研修受講証明書
■実務経験証明書
■役員等名簿
■該当していない旨の誓約書
■貸借契約書又は土地・建物の登記事項証明書
■建築基準法に基づく確認申請書、検査済証
■消防用設備等検査済証、防火対象物使用開始届
■損害賠償保険契約書(付保証明書)
■事業等開始届
■給付費等算定に係る体制等に関する届出書
■給付費の算定に係る体制状況一覧表
■事業所の平面図
■事業所の写真(外観・内部)
■身分証明証コピー(犯罪収益移転防止法に基づく本人確認)
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