産業廃棄物収集運搬業許可

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産業廃棄物収集運搬業の許可車両
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産業廃棄物の収集・運搬をするビジネスがしたいなら…。

産業廃棄物収集運搬業許可(積替え保管なし)申請も、それほど簡単なレベルでありません。

産業廃棄物収集運搬業の許可(積替え保管なし)は、同じ収集運搬業の許可でも、「積替え保管あり」の場合や、「産業廃棄物中間処理業」の許可に比べると、断然、”容易に”取得できるレベルだと思われがちですが、強ちそうとも言い切れません。

業界経験者の方ならまだしも、業界知識の少ない、起業家や事業主さまが、いざ、新規で許可の取得を目指されるに当たっては、いろいろと注意すべき点がございます。

新規許可の申請に際しては、申請書類"だけ"を提出するのではありません。

その他にも、たくさんの用意しなければならない、添付書類がございます。

また、「法定講習」受講のタイミング、「財政的基礎」内容や「欠格事項」などの、要件チェックのみならず、「取扱い品目」に関することや、「債務超過」、「赤字決算時」の取扱いについて、管轄行政庁との事前相談に、”何度も”足を運ばなければならないことも多く、こうした作業に費やす労力と時間を鑑みると、決して”楽”で”簡単”なものとは言い切れません。

どこへ許可申請をすれば良いのか?

収集運搬業の許可(積替保管なし)は、原則、産業廃棄物の「積み込み地」(排出地)と「荷下ろし先」(処分先)を管轄する、都道府県の許可を受ける必要があります。

ただし、途中にある、通過する”だけ”の自治体の許可は、必要とされません。

許可を取得するために必要となる要件について

この許可については、”ローカル・ルール”が、比較的多く存在しています。それ故、申請先となる各自治体に”合わせた”対応が必要となってくる点がポイントです。

例えば、申請に添付するトラックの写真について、その撮影方法一つを取ってみても、A県は四隅から、B県は前後左右の4方向からと、細かなルールが県によって”バラバラ”です。

あるいは、少しマニアックな事例ですと、複数の自治体から、許可の取得を検討している際に利用される「先行許可」制度について、この特例的な制度を採用している県もあれば、逆に、採用していない県もあり、本当にローカル・ルールは、”バラバラ”です。

それでは、産業廃棄物収集運搬運搬業の許可の要件を「人」・「モノ」・「カネ」、3つの視点から、大まかに分類してみると、以下のような項目となります。

1.「モノ」・・・・収集運搬するために必要な「施設」(車両)を有すること

2.「カネ」・・・・経理的(財産的)基礎を有すること

3.「ヒト」①・・・認定講習会を受講すること

4.「ヒト」②・・・法人役員等が、「欠格要件」に該当していないこと

これらの分類された項目について、一つ一つ、ハードルをクリアしていって、初めて「許可」が貰えることとなります。

なお、無事、役所の窓口で、申請書一式が「受理」されてから、おおおそ2か月程度で、許可が出る自治体が多いようです。

ただし、審査の過程に於いて、「補正」が入ってしまった場合には、さらに延びてしましますし、もちろん、申請書の提出前の、書類作成・収集期間も必要となります。

許可申請に関する留意点

収集運搬業の許可は、「積替え・保管」について、「あり」と「なし」に分けられています。

「積替え保管なし」の場合には、一旦、「排出場所」で産業廃棄物を積み込んだら、その産業廃棄物を「処分」または「積替え保管あり」の許可を有している、「中間処理施設」や「積替え保管施設」へと”直行”しなければいけません。

たとえ、その量が”少量”であったとしても、”仮置き場”を作って、そこに置いておくことは、許されません。

許可申請に当たっては、「排出事業者」と「処分業者」との契約予定を予め決めておく必要があります。

どの府県にあるどこの「排出事業場」から産業廃棄物を収集し、そして、どこの「処理施設」へ持っていくのか?という内容を申請書へ記入する必要があります。

申請窓口で、その詳細を尋ねられることもよくあります。

収集運搬しようとする産業廃棄物の「種類」を「20品目」の中から、特定する必要があります。

一般的な例を挙げると、建設現場から排出される「建設産廃」の場合では、「汚泥」、「廃プラスチック類」、「紙くず」、「木くず」、「繊維くず」、「ゴムくず」、「金属くず」、「ガラスくず」・「コンクリートくず」及び「陶磁器くず」、「がれき類」といった「品目」を取り扱えるような体制を準備する必要があります。

また、「石綿含有産業廃棄物」と「廃蛍光ランプ(水銀使用製品産業廃棄物)」の取り扱いが必要となるケースもございますので、しっかりとした事前の準備が必要です。

ちなみにですが、”とりあえず”、「20品目を、一応、”取れるだけ”、取っておきたい…。」と考えられている事業主の方に於かれましては、申請窓口で、担当者から厳しく、事細やかに、”詰問”されることが予想されますので、ご注意下さい。

「許可品目」について

産業廃棄物とは「事業活動に伴って発生した法律および政令で定める20種類の廃棄物」です。また、これとは別に「特別管理産業廃棄物」と呼ばれる分類もございます。

20種類の産業廃棄物の一覧

■もしも、許可を受けた品目ではない品目を収集してしまうと、廃棄物処理法違反として、行政処分や刑事罰の対象となってしまいます。

■廃棄物処理法というのは、不法投棄等の問題もあり、罰則規定が厳しくされていることで有名ですので、たとえ、軽微な違反であっても、その取扱いには、注意が必要です。

「許可品目」の「追加」については、「変更許可」という扱いになり、「新規許可」に近い労力と手間が、”新たに必要となってきます。

『”追加”だから、簡単…。』とは考えない方が良さそうです。

「処分先」についても、その廃棄物の「品目」に対応した「許可」をもっている業者を選ぶ必要があることは言うまでもありません。

申請書には、処分先業者の「許可証」を添付する必要があり、その「許可証」の中に「品目」が記載されています。

■なお、「石綿含有産業廃棄物」「自動車等破砕物」などに関しては、「排出事業者」と「処分業者」が特定されていなければ、それらを”除く”という限定が付されるケースもあります。

許可を受ける以上は、『廃掃法や収集運搬・処理基準なんて知りませんでした…。』では、済まされなくなります。

以上、簡単に産業廃棄物収集運搬業の許可申請について、その概要を解説してきましたが、昨今のコンプライアンス遵守の流れを受け、建設業者の元請けや発注元から、収集運搬の許可がないと、現場に入れて貰えないといった事象も起きていますし、建設産廃に限らず、廃棄物(ゴミ)については、どんな業種であっても関係する、避けては通れない問題でもあります。

プロとして、許可を受けた以上は、『こんなことが、廃棄物処理法違反だなんて、知らなかったよ。』では済まされない法律でもありますので、許可取得に際しては、その周辺知識も含めて、しっかりとした準備が必要となってきます。

その他の「自動車を使ったビジネス」(旅客・貨物)の許認可については、以下のページをご覧下さい。

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