一般貨物運送事業経営許可

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許可を受けて行う一般貨物自動車運送事業ビジネス
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トラックを使って運送屋を始めたい【一般貨物運送事業経営許可】

運送業許可のハードルが、ますます上がっていっています…。

いきなりではございますが、一昔前とは違って、近年、貨物運送事業(俗に言う、”運送屋さん”)を始めるための”ハードル”が、じわりじわりと、引き上げられて来ています。

とりわけ、「資金要件」のハードルの高さ(※トラックの確保など、全くの”ゼロ”の状態から揃えていくには、最低でも1,500万円以上は必要となるケースが多々あります。)もさることながら、入り口となる、新規許可申請の段階で、適正な「コンプライアンス体制」の確保・「安全性」の担保が求められるようになって来ている、という傾向がございます。

しかも、無事、「経営許可」は貰えたものの、商売を始めてからも、コンプライアンス体制・安全体制の「継続・維持」は、本当に大変になって来ています。

一昔前のように、単に、「配車」と「点呼」を、”それなりに”やっていれば、「ハイ、それでOK。」という訳にもいかなくなって来ています。

揃えておかなければならない「法定書類」が増え、なおかつ、求められる「データ」を適正に記録し、そのデータを「法定書類」へと、適正に落とし込んでいく作業が、”一層”求められてきております。

俗に言う、”お上”(お役所)から、「運送屋の許可」という、”お墨付き”を頂いて、商売をしている手前、想像以上に、煩雑な事務処理作業が求められる業界でもあるのです。

しかも、”お上”から求められる、細かな縛りは、それだけにとどまりません。

「貨物事業運送法令」だけでなく、加えて、「労働関係諸法令」の熟知と遵守もまた、「働き方改革」という名のもと、ますます、求められるようになってきている業界でもあります。

本当に、”一筋縄”では、対応しきれなくなっている、というのが、運送業界の現状なのです。

言葉が適切でないかも知れませんが、昔ながらの、運送屋さんの意識の”まま”でいる会社にとっては、ぶっちゃけ、”割に合わない”業界、になって来ているのかも知れません…。

あくまでも想像ですが、”お上”の「考え方」としては、今後の日本を鑑みるに、「コンプライアンス・安全」に対する意識が低いままの、旧態依然とした運送屋さんは、『もう、”淘汰”されて、”消滅”していってもらおう。』という「考え方」にシフトしているのかも知れません…。

当事務所に於いては、以上のような、運送業界が於かれた実情をしっかりと踏まえながらも、ご依頼者の置かれた状況と、ご依頼者が、今後目指そうとなされる方向をジックリとお伺いさせて頂いた上で、”最善、かつスムーズ”な、スタートアップが出来るよう、”様々な角度”からの、ご提案をさせて頂く、という「スタンス」でおります。

単に、当事務所では、運送業の許可の取得を、単に「運送業の許可を取る”だけ”の仕事」と、近視眼的な視点でもって、取り組むようなことは致しません。

運送業界に身を置いていた人間だからこそ、ご提案出来る、”トータルな視点”を持った、許可申請コンサルティング・サービスをお届けさせて頂きます。

一般貨物自動車運送事業経営許可について

それでは、以下に運送業許可の概略、”さわり”の部分を解説させて頂きます。

貨物自動車運送事業は、主に「一般」・「特定」・「軽」の3つに分類されていますが、その大半は、「一般」か「軽」で、ご検討されるのが実情となっています。

「一般貨物自動車運送事業」とは、”教科書的に”言えば、「他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業であって、「特定貨物自動車運送事業」”以外”のもの」と定義されています。

つまりは、他人から依頼に応じて、トラックを使って、荷物を運んで、その対価として、運賃をもらう商売」となっています。

街で走っている、トラックの”緑”ナンバープレートが、その”目印”となっていることは、ご存じの方も、結構いらっしゃるのではないでしょうか?

主たる営業所を管轄する運輸局から「経営許可証」をもらうことにより、諸々の届出を経た後、ようやく”緑色”のナンバープレートを付けることができ、これによって晴れて、”運送屋”さんとして、商売をすることが出来ます。

※厳密には、「許可証」をもらった後にも、その他の行うべきお役所手続きが残っていますので、単に「許可証」を貰った”だけ”では、直ぐには商売をすることは出来ませんが、詳細は割愛致します。)

許可に関する5つの主な要件について

次に、運送業許可を取得するには、ざっくり、5つのハードル、「場所」「お金」「人」「車」「試験」がございます。

まずは、これら5つのハードル=「要件」をクリアすることが、「許可証」をもらうための、最低条件となります。

1.場所的要件

「場所」の要件には、運送業を始めるに当たって必要となる、「営業所」、「休憩・睡眠施設」、「車庫」といったものが挙げられます。

「営業所」など、これらの施設、一つ一つを取ってみても、細かなルール・決まりが定められています。

例えば、これらの施設を設置するに当たっては、「都市計画法」、「建築基準法」、「農地法」、「消防法」、「道路法」等に抵触していないことが、最低条件になります。

具体的には、車庫の出入口の前の「道路の幅員」についても、「車両制限令」という法令に照らし合わせて、市役所など、道路管理者等へ照会する必要があります。

あるいは、そもそも、法令上、これらの施設を設置することが可能なエリア(区域区分・用途地域・地域地区など)なのか?を市役所などの都市計画課へ確認する必要もあります。

こうした、物件・施設に関する法令適合調査には、細心の注意を払う必要があるのです。申請した後で、こうした法令適合違反が発覚すると、”思わぬ出費”を伴うばかりか、計画自体が”とん挫”しかねない状況にもなりうる危険性をはらんでいるのです。(※実務上、申請する時には、「宣誓書」を1枚添付するだけで、一旦、受理はなされます。その場では、こと細かく、内容についての精査はされません。)

2.資金的要件

運送業許可を取得するには、建設業許可など、他の許認可に比べて、結構な額の「資金」が求められるのが、一般的です。すなわち、この「資金」の確保の問題が、最初に考えなければならない、最も重要な部分となります。

「所要資金」(「事業開始に要する資金」)とは、「運送業を開始して、当面の間(6ヶ月間~1年間程度)、仮に売上が一切立たなくても、運送事業を続けられる金額」のことを意味しています。

そして、まずは事業計画に沿って、合理的な金額を算出していかなければなりません。「事業開始に要する資金」には、従業員給料、自動車購入資金またはリース料、営業所・車庫の賃借料、燃料費、社会保険料等の経費が挙げられます。

例えば、従業員給料等、「人件費」の項目についての積算方法として、「人数×月額×6か月分」など、各項目の積算方法についても、細かなルールが定められています。

「所要資金」の積算・見積もりが、適切なものであり、かつ、「自己資金」の調達に十分な”裏付け”があることが求められます。

このため、いわゆる、”見せ金”ではないかどうかを確認するため、「残高証明書」を使ってのチェックが、2回に分けて行われる、というのも運送業許可ならではの特徴となっています。

「所要資金」の確保については、実務的には、許可申請書(様式1)、「事業の開始に要する資金及び調達方法」に記載されている各項目に沿って、適正かつ、合理的な金額を算出し、記入していくこととなります。

これらの積算・算出の仕方についても、運輸支局担当官がチェックするポイントというのがありますので、細心の注意が必要です。

そして、最終的には、「事業の開始に要する資金」の100パーセント以上の「自己資金」が、申請日以降、”常時”確保されるように、資金調達を計画しておくことが重要です。

ここで言うところの「自己資金」の範囲には、預貯金はもちろんのこと、会社設立時に払い込んだ資本金額や、借り入れた金額等も含まれます。

ただし、金融機関からの借り入れについて、運送業の許可を取得する為の融資の申込みは、なかなか下りないケースが多いと考えておいた方が無難です。

3.人(従業員)に関する要件

運送業を開始するに当たって、必要となる人員や資格について定められた要件となります。

例えば、国家資格者である「運行管理者」、あるいは「整備管理者」といった専門職種に就くことが可能な人員を配置する必要があります。

とりわけ、整備管理者については、実務経験が求められるケースもあり、なかなか、人材確保が難しい状況が散見されますので、求人募集のスケジューリングも大切になってきます。言わずもがな、運転者についても、採用計画を含めた、周到な準備が求められます。

4.車両に関する要件

運送業を始めるには、最低5台の車両が必要になります。車両自体は、購入でなくリースであっても、あるいは、ハイエースやライトバン(貨物)であっても申請可能ではありますが、少なくも、申請者が使用権限を有するもの、又は確保予定のものでなければなりません。

5.法令試験合格の要件

運輸(支)局に申請書の提出した後、その直後の奇数月に法令試験が実施されます。しかも、その申請会社の役員が合格しなければなりません。

しかも、チャンスは二回しかなく、二回とも不合格になってしまうと、実務上、申請を取り下げて、再スタートとなります。

この試験のレベルについても、一夜漬けで合格するようなレベルではないので、しっかりとした準備が必要となります。

上記に挙げたような許可の「要件」を法令に沿って、一つ一つクリアしていく必要があるだけでなく、その他にも、数多くの、細かなタスクが残されています。

法改正による、資金要件のハードルが、従前にも増して上がったことによる、「自己資金」の確保の問題にはじまり、用意すべき帳票類、什器・備品類、運行管理システムの導入、荷主・協力会社の確保、営業活動など、数えだしたら”キリがない”位に、やるべきことが沢山あります。

繰り返しになるようで恐縮ですが、運送業開業に当たっては、入念な事前準備が必須となりますので、ご留意下さい。

当事務所の代表は、運送業・物流業に於ける、許認可管理の経験が長くございますので、単に、”教科書”的な助言に留まることなく、”現場”・”実務”に即した、”いい塩梅”な、「落し処・着地点」をご提案させて頂く所存です。

常に、『何とかならないものか?』と思案し、そして、『何とかするっ。』という姿勢を諦めません。

以上でございます。どうぞ安心して、お任せくださいませ。

トラックにかご台車を積み込むドライバー

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