飲食店営業許可

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飲食店営業
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飲食店やカフェ、キッチンカーなど、飲食業界でビジネス始めようと思ったら、お役所からの「許可」が必要になります。

飲食店営業の許可制度について

「食品衛生法」施行令第35条に規定されている「飲食店営業」とは、食品を調理し、又は設備を設けて、客に飲食させる営業のことを言います。

法令上の定義は、上記のようになりますが、この「飲食店営業」を始めるには、お店を管轄する県(保健所)に「営業許可」をもらう必要があります。

この許可については、事業者ご自身で申請をなされる方も、一定数いらっしゃいます。

しかしながら、「設備・施設基準」と呼ばれる、細かな「衛生基準に関するルール」が設けられてあり、店舗開業オープンに向けて、依頼した工務店や内装工事業者等に、全てを”任せきり”にしたままでいると、大変な事態になるリスクもございます。

具体的には、店舗内装や給排水設備の工事が、一通り完成された後に、保健所が行う「現地調査日」になって初めて、取り付け工事された、衛生・換気・給排水設備等が、実のところ、保健所が求める「衛生基準に関するルール」に適合していなかったことが発覚してしまい、改めて、保健所から、工事の”やり直し”の指導を受けてしまう、といった事例も、ゼロではありません。

こうした事態になってしまうと、”思わぬ出費”が発生してしまい、当初の「資金計画」や「オープン日」について、”想定外の痛手”を負うことにもなりかねませんので、注意が必要です。

営業許可を取得する流れは、以下の通りです。

1.事前相談を行う

対象となる施設(店舗)の図面等を管轄の保健所窓口へ持参し、各種の基準に適合するか否か?について、指導、助言、確認を受けます。

2.許可申請を行う

申請書を含め、指定された書類一式を保健所窓口へ提出します。

3.書類内容の審査

保健所にて、提出された書類の審査が行われます。補正の連絡があれば、速やかに対応します。

4.施設調査の実施

保健所の「食品衛生監視員」が、対象となる施設を調査に来ますので、立ち合います。

5.許可書の交付

施設調査に不備がなければ、後日、「営業許可証」が交付されます。

ただし、施設調査で不備の受けた場合には、指摘事項の改善を行った後、再検査を受け、合格しない限り、許可書の交付はなされません。

飲食店営業許可を取得するには

大まかなポイントとして、「食品衛生責任者」の設置と、店舗を「施設・設備基準」に適合したものとすることが必要となります。

食品衛生責任者について

飲食店の営業許可を取得するには、店舗ごとに「食品衛生責任者」を置かなければなりません。

「食品衛生責任者」とは、食品を扱う店舗において、食品の衛生管理を行う責任者のことです。店舗の衛生管理が、法令に反しないよう、管理することが役割となります。

必ずしも、事業主・オーナーである必要はなく、店長さんなど、現場を管理する立場の方が就任されることが一般的です。

「食品衛生責任者」になるには、栄養士、調理師、製菓衛生師など、一定の資格者保有者か、あるいは、各都道府県の食品衛生協会の実施する「食品衛生責任者養成講習」を受講する必要があります。

注意すべき点としては、講習受講によって「食品衛生責任者」になる場合、可能な限り早めの受講予約をしておく点です。かなりの受講申し込み人数が想定されますので、開業オープンまでに、間に合わないといった事態になるリスクがあるので、注意が必要です。

店舗施設の調査について

保健所の担当職員(食品衛生監視員)により、お店に取り付けられた衛生設備等について、一定のルールに沿ったものとなっているかどうか?の現地検査が実施されます。

一例としては、下記のような事項を重点的に、チェックされますが、各都道府県、保健所によって、”ローカル・ルール”があり、ポイントとなる項目に温度差がある点に留意が必要です。

・厨房の床の構造(清掃しやすい形状か)
・シンクのサイズ
・手洗器の設置(厨房とトイレ両方)
・冷蔵庫内の温度計設置
・厨房内の蓋付きごみ箱の設置
・給湯器の設置
・調理場と客席のエリア分離
・食器棚の扉の有無

許可の有効期間について

飲食店営業許可には、有効期間が設けられていますので、有効期間内に継続申請手続きを行うことが必要となります。

この有効期間は、5年~8年とされ、施設・設備に関する一定の衛生基準に基づき、保健所によって判定されることとなります。

飲食店の営業許可申請で注意すべき「設備基準」(抜粋)

●調理場と客席等の部分を区画するため、ドアーを付けること。
(※調理場とは、食品の下処理・調理・器具の洗浄等を行う部屋のこと。)

●調理場の壁・天井は、平滑で清潔で掃除しやすい構造であること。内壁は、床から1m以上耐水性の材質で、清掃・洗浄しやすい構造であること。

●調理場の床は、耐水性材質で、排水が良好なこと。平滑で、清掃・洗浄しやすい構造であること。

●調理場には、食品・容器・器具を洗浄するため、流水式の2槽以上のシンクを備え付けること。
(※1槽の大きさの目安:「幅」45㎝×「奥行」36㎝×「深さ」18㎝以上)

●調理場には、食器等の容器・器具を殺菌するため、給湯器等の消毒設備を設けること。

●調理場には、流水式手洗い設備を設け、消毒設備を備え付けること。
(※2槽シンクとは別に設ける)

●調理場には、食品を保存するため、十分な大きさのある冷蔵設備を設けること。(※温度管理のため、温度計を設置すること。)

●調理場には、食器等を衛生的に収納できる、扉つきの戸棚を備えること。

●調理場内のゴミ箱は、ふた付きで、耐水性と十分な容量があり、汚液や汚臭が漏れない材質の容器であること

●調理場には、ばい煙・蒸気等の排除のため、換気扇・ダクトなど排除設備があること。

●調理場の窓には網戸、排水口には金網などを付けて、昆虫やねずみ等が侵入しない設備にすること。

●調理場の作業面には、適切な照度(100ルクス)を保ち得る照明設備を設けること。

●水道水又は飲用の水を供給できること
(※貯水槽・井戸水の場合は、水質検査表の提出が必要)

●トイレには、流水式手洗い設備を設け、消毒設備を備え付けること
(※調理場と離れていること)
●食品衛生責任者プレートの掲示すること。

キッチンカーによる移動販売と飲食店営業許可

移動販売車を使った飲食店の営業、いわゆる、キッチンカーを使った移動販売をするためには、「飲食店営業」の許可が必要となります。

また、キッチンカーによる移動販売はこれまで、「飲食店営業」「菓子製造業」「喫茶店営業」の3種類が中心でしたが、2021年に改正された食品衛生法では「飲食店営業」へと一本化されています。

許可申請を行う保健所について

キッチンカーによる移動販売の許可は、「営業を行う地域」ごとに必要となります。

すなわち、営業を行う地域によっては、1つの営業許可で府や県内全域で販売できる場合もあれば、1つの営業許可で、府や県内の一部地域だけでしか、販売できない場合も起こり得ますので、その場合は、営業を行う地域を管轄する、複数の保健所へ許可を申請することとなります。

さらに併せて、事前に「仕込みを行う場所」でも、管轄保健所からの許可が必要となります。

ただし、自宅にあるキッチンを「仕込みを行う場所」とすることは出来ませんので、キッチンカー移動販売を行う場合には、こうした独自のルールにも留意する必要があります。

2021年の食品衛生法の改正

2021年の改正・食品衛生法が施行されて以降は、HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の制度化が求められることとなりました。

原則として、すべての食品等事業者に対して、一般衛生管理に加えて、HACCPに沿った衛生管理の実施を求められます。

そもそも、HACCPとは「事業者自らが、食中毒菌汚染等の危害要因をあらかじめ把握(Hazard Analysis)した上で、原材入荷から製品出荷まで の全工程の中で、危害要因を除去低減させるために特に重要な工程(Critical Control Point)を管理し、製品の安全性 を確保する衛生管理手法」と言われるものです。

スタートアップの創業者にとっては、ハードルの高い、衛生管理手法となりますので、保健所や専門家に相談しながら進めていく必要があります。

もちろん、当事務所においても、HACCP導入支援についても、ご相談に応じますので、お気軽にお問合せ下さい。

(※食品衛生法施行令「施設・設備基準」の一例)

飲食店営業の設備基準

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