宅地建物取引業免許

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宅地建物取引業免許を取得した不動産業者
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不動産仲介・販売業など、不動産業界でビジネスを始めようと思ったら、お役所からの「免許」が必要になります。

宅地建物取引業(宅建業)免許とは

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、「宅地建物取引業」免許とは、「宅地建物取引業」(宅建業)を営むために必要となる免許(許認可)のことを言います。

いわゆる、”街の不動産屋さん”をイメージ頂くことが、一番分かり良いイメージかも知れません。

ここでは、”街の不動産屋さん”を始めるために必要となる、「免許」を申請するために必要な条件や注意点などについて、ご紹介させて頂きます。

宅建業の免許が必要となる行為

かしこまって言うと、「宅地建物取引業」(宅建業)とは、「宅地」または「建物」について、次に掲げる行為を”業として”行うものを言います。

●宅地または建物について、自ら売買または交換することを業として行うこと。

●宅地または建物について、他人が売買、交換または貸借することにつき、その代理もしくは媒介することを業として行うこと。

上記の取引を「不特定多数の人」を対象に、「反復または継続」して行う場合には、宅建業の免許が必要となります。

宅建業免許の区分については、2種類に分けられます。

●「1つの都道府県内に事務所を持つ」場合・・・都道府県知事の免許

●「2つ以上の都道府県に事務所を持つ」場合・・・国土交通大臣の免許

また、宅地建物取引業免許は、「個人」・「法人」のどちらであっても、申請することができます。

宅地建物取引士(宅建士)について

・宅地建物取引士(宅建士)とは、国家試験に合格し、資格登録を行い、さらに、「取引士証」の交付まで受けた者のことをいいます。

・宅建士は、「専任の」取引士「それ以外の」取引士に分けることができます。

・宅建業免許の申請に当たっては、「専任の」取引士を最低1名以上、設置することが必要となります。

専任の宅建士について

・上記の両者どちらも、宅建業法35条に基づいて、「重要事項説明」を行うことなど、宅建士として行うべき業務内容は同じですが、とりわけ、「専任の」取引士として登録された場合には、事務所(営業所)に「常勤・専従」し、”専ら”、宅建業の業務に従事することとなります。

・以下のようなケースでは、「専任」の宅建士になることが出来ません。

他の会社の代表取締役、常勤役員を”兼任”する場合

他社の業務にも従事し、他の業務と”兼務”している場合

宅建業を営む事務所に於いて、その”営業時間を通じて”、業務に従事することが出来ない状態

常識的に見て、事務所への”通勤が不可能な”遠方の地に居住しているような状態

専任の取引士の数

専任の取引士は、「業務に従事する者5名」に1名以上の割合で、設置する必要があります。

たとえば、一つの事務所に於いて、業務に従事する者が、仮に7名いる場合には、専任の取引士は、2名必要となります。

・尚、配置すべき専任の取引士の数が、欠けてしまった場合には、「2週間以内」に補充を行うなど、必要な措置を講じなければなりません。

専任の取引士に関する申請上の注意点

・宅建業免許を申請する時点に於いて、「専任の取引士」については、「取引士登録簿」内の「勤務先」項目が、”登録されていない状態”であることが、必要になります。

このため、”従前”の「勤務先」を退社した場合など、「取引士登録簿」内に登載してある事項に「変更」が生じた場合には、「取引士登録簿」の「変更」申請を行い、従前の勤務先を”抹消”しておく必要があります。

この変更申請を”忘れた”まま、宅建業免許の申請を行ってしまうと、「補正」通知が入り、開業に向けて、思わぬ”足止め”を喰らってしまうしまうこととなります。

事務所(営業所)の設置について

・宅建業法で規定される「事務所」については、その「所在場所」によって、免許の区分(知事・大臣)が分かれたり、あるいは、その「数」によって、納めるべき「営業保証金」(「保証協会分担金」)の額も違ってきます。また、それぞれの事務所ごとに、「専任の取引士」を設置する必要も生じます。

・宅建業者の「本店」について

・会社法・商業登記法上の履歴事項全部証明書に、「本店」として「登記」された事務所が、宅建業法上の本店(主たる事務所)となります。

たとえ、「本店」で宅建業を行っていなくとも、「支店」で宅建業を行っていると、「本店」も、宅建業を行っているとみなされてしまいます。この場合は、「本店」でも、営業保証金の供託(保証協会の分担金の納入)や、専任の取引士の設置が必要になってきます。

宅建業者の「支店」(従たる事務所)について

履歴事項全部証明書に、登記されているか否か?では、宅建業の「支店」(従たる事務所)としての判断はなされません。あくまでも、”実態”として、事務所に於いて、宅建業を行っているかどうか?で判断されることとなります。

・すなわち、たとえ、「支店」としての登記がされていたとしても、”実態”として、その「支店」に於いて、宅建業を行わないのであれば、宅建業の従たる事務所としては取り扱われません。

・逆に、たとえ、「支店」としての登記がされて”いない”としても、”実態”として、「継続的に業務を行うことができる施設を有する場所」で、「宅建業についての契約を締結する権限を持った使用人(政令使用人)を置く」のであれば、宅建業の「支店」(従たる事務所)としての判断がなされることとなります。

宅建業の事務所は、以下のように解されています。

・物理的に、宅建業の事務を機能的に行える機能を持ち、社会通念上も、事務所として認識される程度の、「独立した形態」を備えていることとされています。それ故、たとえば、簡易プレハブの物件案内所などは、宅建業の「事務所」としては認められません。

・この宅建業の事務所の「独立性」という論点は、申請窓口で、担当者から、かなり突っ込んでチェックを受けるケースが少なくありません。

以下のケースでは、『その「独立性」をどう保つのか?』について、申請前の「事前相談」に於いて、シッカリと、確認しておく必要があります。

1.一軒家、マンションの一室を事務所とする場合

2.同一フロアーに、他の法人も同居している場合

3.同一室内で、建設業の営業所や建築士事務所の登録を行っている場合

上記のようなケースの場合、都道府県窓口によっては、「事務所」としては認められないこともありますので、注意が必要です。

政令使用人の設置について

「政令使用人」とは、政令第2条の2で定める使用人のことを言います。

具体的には、宅建業に係る契約を締結する権限を有する使用人(支店長・営業所長など、その事務所の代表的地位に就くもの)のことをいいます。

・政令使用人は、代表取締役の代わりに、その事務所を代表して契約の締結などを行う役職になりますので、代表取締役が、「常勤」している事務所(主たる事務所)には、設置する必要はありません。

・逆に、代表取締役が「常勤」できない支店(従たる事務所)などの事務所には、「政令使用人」を設置する必要があります。

・”同一”事務所内であれば、「専任の宅建士」と「政令使用人」との”兼務”は認められています。

・政令使用人には、「資格要件」は必要ありませんので、宅建士の登録をしていなくても、政令使用人になることは可能です。

以下に掲げる欠格事由に該当しないこと

たとえ、免許申請のための書類一式が、”すべて”揃っていたとしても、宅建業法第5条に規定される「欠格事由」に該当する者に対しては、免許が交付されることはありません。

具体的には、免許を受けようとする法人・個人の「申請者」、法人の「役員」、または「政令で定める使用人」が、「欠格事由」に該当していないことが必要となります。

まずは、以下の通り、用語の定義を列記します。

役員であった者

免許取消処分の聴聞の公示の日前60日以内に役員であった者

暴力団員等

暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者。暴力団員等が事業活動を支配する者を含みます。

法定代理人

営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者の親権者又は後見人をいいます。

役員

常勤・非常勤の取締役を言いますが、相談役、顧問など、会社に対して実質的に強い支配力を持った者も含まれ、名称を問いません。

政令使用人

事務所の代表者で契約締結権限を有する者(支店長、営業所長)

1.心身の故障により宅地建物取引業を適正に営むことができない一定の者
復権を得ていない破産者
2.「不正手段で免許取得」、「業務停止処分に違反」、「業務停止処分事由に該当し、情状が特に重いこと」を理由に、免許を取り消され、取消しの日から5年を経過していない者
3.上記免許取消処分前に廃業し、廃業届から5年を経過しない者
4.禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わって5年、または時効の完成などにより刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
5.定の罰金刑に処せられ、その刑の執行が終わって5年、または時効の完成などにより刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
6.免許申請前5年以内に、宅建業に関して不正または著しく不当な行為をした者
7.宅建業に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者
8.暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
9.営業に関して成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で、その法定代理人が上記1~8のどれかに該当する場合

免許の有効期間

宅建取引業免許の有効期間は、5年となっていますので、その後は、更新手続きが必要となります。

免許の交付までにかかる日数

免許を申請してから交付されるまで、途中で補正等がなければ、通常、1ヶ月~2か月程度となります。

営業保証金の供託

・一般的に、宅地建物取引業は、多額の金額が動く取引となります。それ故、万が一、不測トラブルが起こった場合、宅建業者と取引を行った相手方の損失は、甚大なものなってしまいます。

・宅建業法上に定められた、「営業保証金」制度は、宅建業者と取り引きを行い、損害を被った「相手方」がいる場合に、その損失を補償する制度となっています。

新規で宅建業免許の交付を受けた後、管轄法務局へ「営業保証金」を「供託」し、供託書の写しを添付して、「営業保証金供託済届出書」を申請窓口に提出する流れとなります。もちろん、この届出を行った後でなければ、営業を開始することはできません。

供託額は下記の通りです。

・主たる事務所(本店) ⇒ 1,000万円
・従たる事務所(支店等)⇒ 1店舗につき、500万円

「不動産保証協会」への加入

国交大臣指定を受けた公益社団法人である、「宅地建物取引業保証協会」へ「入会」して、「弁済業務保証金分担金」と呼ばれるものを「納付」することによって、業法上、宅建業の営業開始に当たって、必須となる「営業保証金の供託」が、”免除”されるようになっています。

現在のところ、上記の保証協会には、以下の2つが大臣より指定されていますが、”いずれか一方”にしか、加入はできません。

・(社)全国宅地建物取引業保証協会(ハトマーク)
・(社)不動産保証協会(ウサギマーク)

ちなみに、「弁済業務保証金分担金」の納付額については、両協会とも、”同じ金額”になります。

・主たる事務所(本店)・・・60万円

・従たる事務所(支店)・・・1店舗につき、30万円

この他に、保証協会に加入する際には、「入会金」・「年会費」等が、別途、必要になりますが、これらについては、各保証協会によって、金額に相違があります。

もちろん、こうした免許交付後の、「保証協会への加入申請手続き」についても、当事務所に於いて、しっかりサポートさせて頂きます。

最後に

以上が、宅建業免許を取得するに当たっての、大まかな流れとなっております。

決して、高難度に類される許認可という訳ではありませんが、建設業許可など、他の許認可とは違った、”独特の”ルールが設けられていたりもします。

宅建業免許の取得に費やす「時間」と「労力」をアウトソースしてしまうことによって、営業活動など、本業となる、他の開業準備に費やす「時間」と「労力」を増やされてみてはいかがでしょうか?

不動産の契約を結ぶ場面

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